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 =ジギングの明暗を分けるバラシ=

例年、ヒラマサ、カンパチ、イナダなどをターゲットに各地でジギングが盛り上がっている。魚がたくさん釣れたアングラーと同時に、その裏側では魚のバラシに悩んだアングラーも多い事だろう。
バレた魚が、もしかしたらそのアングラーにとって記録となるビッグワンかもしれないと思うと心が痛む。
釣具店の船宿釣果情報を見ていても、とにかく目に付くのは「バラシ多数、バラシ多し、」バラシの雨アラレだ。どうしてバラシは起こるのだろうか。バラさない方法はないのだろうか。
実は、バラシの原因のほとんどが、初歩的なミスで起きている。今回はこのバラシについて筆者の考え方と、それを、考慮したうえで提唱するジギングスタイルを紹介しよう。

「ヒラマサ狙いにバラシは致命的」
こんな事はないだろうか。
ポイントに到着して、船長の合図とともにジグを落とす。ジャーキングを開始してすぐヒット。「今日はいい日だ、いい釣りが出来そう。」と思った瞬間に「バレた!」。次があるさ、と頑張ったが、結局そのポイントではこの一発が最初で最後に終わってしまった。
これは、バラしたと同時に魚の群れに緊張が走りその後のヒットにつながらくなってしまったためである。もしこのときポイントに、ベイトが沢山入っていて、ヒットとともに魚たちに捕食モードへのスイッチが入ったとしたらこのバラシはさほど問題ではなく、この後もヒットしていたかもしれないだろう。
「バラさなければ後が続いた可能性が高い」ということ。
こうしたケースは特にヒラマサのジギングにあてはまる。根に着くヒラマサは、根の周りをうろついて、そこに偶然入ってきたアジの群れ、または根際に居るキスやメゴチを捕食するケースが高いからだ。
このように、ヒラマサをターゲットとする、根回りを狙うジギングにおいて、「バラシは致命的」という事を覚えておいて欲しい。かけた魚はバラさずに、ランディングすればよいという事なのだ。ただ完璧は難しい、バラす確率を少しでも減らしていく為の基本的な考え方を、説明していこう。


「バラシのメカニズム」
1.針(フック)によるトラブル
2.リーダーを含むラインによるトラブル
バラシの原因の多くは、実はこの二つのトラブルによるものである。特にフックによるトラブルでバラシにつながるケースが最も多い。
フックのトラブルには、
1.フックが折れる
2.フックが開く
などが挙げられる。
こういった事はなぜ起きるのか?答えは簡単な事で、フックが貫通していないから起きるのである。決して魚が大きかった訳ではない。
しかしほとんどのアングラーは「バラシた獲物はデカイ。このフックが伸ばされた」とイメージだけが先行し頭がいっぱいになってしまう。
ポイントは「なぜ、伸ばされたのか?」である。これを考えないとまた同じ失敗を続ける事となる。 「フックが貫通さえしていれば意外と細めのフックでも大物が獲れる。」これは、筆者の経験則からも明らかである。

「針を貫通させる為にはどうすれば良いのか」
1.針先をチェックする
2.針の大きさと、ロッドパワーのバランスを考える
3.針を貫通させるための、フッキングの方法を変える
以上がフックを貫通させる為に考えられる事だ。この時にもうひとつ忘れてはいけない事がある。それは、ドラグセッティングである。
「ドラグはラインの直強力の約1/3の力で計りましょう。ロッドにリールを取り付けてラインをだして、バネ計りで正確に。」
多くのアングラーは雑誌等を通して、ドラグセッティング方法を目にし、実践していることと思う。そこで、この様な一般的なドラグセッティングをしているという事を前提に、説明してみたい。
まず針先をチェックするという事だが、ジャーキング時にメタルジグとフックが接触する事により、また根ガカリしたが回収出来た時、などによって針先のつぶれが発生する。これをあまり気にしていないアングラーが非常に多い。まめにシャープナーでタッチアップするか、新しい物と交換するべきである。
次は、フックの大きさとロッドパワーのバランスについて説明しよう。現場でよく目にする光景だが、ロッドがとても柔らかい物なのに、フックが異常に大きくしかも太いなどの、アンバランスなセッティングをしているアングラーが非常に多いことに気づく。特にアシストフックの場合に多く見られるようだ。
ジグに絡まないようにフックサイズを大きくしている様だがここで考えて欲しい。ジグへの絡みを防ぐのなら、あのケプラー部分の素材に張りをもたせたものを選ぶべきではないだろうか。フックサイズを上げるという事は、フッキングパワーをさらに上げる必要があるという事につながる。しかも、あの揺れる船の上でだ。
筆者は、以前ルアーショップに勤務しており、主にジギングのお客様を担当していたと同時に、ルアー船のインストラクターも行っていた。
そのおかげで釣った魚の数は計り知れない程の量だ。そんな経験を元にして、最も近海のジギングに適した、フックサイズとロッドパワーの関係を考えてみた。
フックを貫通させるための、フッキング方法。それは、グリップエンドを支点にした、バッドパワーを生かしたフッキング方法だ。この方法が最も確実に、あの硬い上顎にフックを一発で貫く方法である。 重要なのは、フッキングでの負荷をバッドに乗せるという事。即ちバッドの力でフッキングするという事だ。言葉のイメージで言うと「ドンッ」という感じだろう。大げさではなくここまでやらないと確実なフッキングは得られない。

船の上で釣りあげたイナダから、ジグが「ポロッ」とはずれた事はないだろうか、またアワせたつもりが、ファイト中に「フッ」と軽くなった事があるだろう、それらは全てフックが貫通していないために起きているのだ。 ファイト中のバレは、針が抜けていない上にラインテンションが緩み、そのわずかな瞬間にバレたものだ。 海の中は潮流がある為、大げさぐらいのフッキングをしないとジグに力が確実に伝わらず、フックが貫通しないのである。
次に、ラインのトラブルによって起こるバラシのメカニズムについてだが、リーダーを含むラインのトラブルの多くは、ジャーキングを行う際潮の向きによって船の下にラインが入る。この時船底にラインを擦り、しらずにラインに「傷やササグレ」が入っているのだ。傷の入ったラインは非常に弱くなり、そのまま使用すると「タカ切れ」につながるのでこまめにチェックしたい。
またリーダーのトラブルの中で根ズレの他に多く見られるのが、他のアングラーとオマツリした際に、リーダーにPEラインが絡まり気づかずジャーキングを行う、これによってリーダーに熱ダレしたような傷が入るのだ。
この様になったリーダーはわずかな力ですぐに切れてしまうのだ。摩擦というものは、様々なところで起きている。アングラー自身「おかしいな」と感じたらとにかくまめにラインチェックすることが重要だ。

「提唱すべきジャーキングスタイル」
これらのバラシのメカニズムを考察したうえで、求められるべき、筆者の考えるジャーキングスタイルとは、常にフッキングに移れる腰を支点にしたジャーキングだ。
グリップエンドを腰に当てたジャーキング。このジャーキングの利点とは
1.フッキングが確実に入れられる
2.長時間のジャーキングでも疲れないため、魚のヒットチャンスが多くなる
3.ジャーキングのストロークが安定すると同時に、ジグにイレギュラーアクションも意図的に入れられる
4.特に大物を狙うときの、一回、一回、スローにそしてアタリを訊くようなジャーキングの時にこそロッドが安定するため、結果的に集中力が持続する
以上の理由で、この様なスタイルのジャーキングを提唱している。
最初は、難しいかもしれないが、慣れれば最強のスタイルになる事は間違いないだろう。
さらにタックルについてアドバイスをすると、リールのギヤ比は 4.7:1 以下ぐらいのギヤ比の遅い物が使いやすい。ギヤ比が高いと、ロッドでアクションしてもリーリング中心の、ジャカジャカ巻きになってしまう。ラインスラッグこそがルアーのアクションの中の最も重要な要素だ。意図的にラインスラッグを出しやすくするために、あえてギヤ比の遅いリール選ぶことが上達への近道だろう。

「自分に合ったロッドにする」
市販のジギングロッドを使い、このようなスタイルのジャーキングを行うと、リールシートの位置やフロントグリップの長さにストレスを感じることが多い。ロッドを購入する際には、自分なりに合った物を見つける事をお薦めしたい。
筆者の場合、市販のロッドを改造したり、ブランクスからロッドを作っている。最近は、ロッドビルディングパーツの揃うプロショップもかなり在るので、パーツの購入も容易に出来るので利用してみるのも良いだろう。

「ロッドタックルを自分に合う様に改造する(グリップの位置とリールの位置がキーポイント)」
改造にあたっては、グリップ脱着式のロッドであればグリップのみを改造すればよいのだが、ワンピースタイプの物だと、ガイドを全てはずした状態にしないとこのグリップとリールシートの改造は難しい。
パーツと道具があれば、やる気の問題でけっこう出来てしまうので、ぜひチャレンジしてみて欲しい。

「大きい魚と小さい魚、実はアタリの感覚はほとんど同じ」
最後に、近海のジギングで、10キロオーバーはひとつの目標となる。これも筆者の経験から言えることなのだが2キロ前後の魚と10キロを超える魚のアタリの感覚はほぼ同じである。要するにアタった瞬間に大きさは判断できないという事だ。
大物を釣るためにも、掛かった魚を確実につないでおく必要があるのだ。フックが貫通していない為にバラしてしまった魚がもしかしたら夢の10キロオーバーの魚かもしれないと思うと、おのずとバラシへのこだわりは、強くなるはずである。
アングラーに平等に与えられたチャンスをものにするのか、それともそのチャンスにすら気付かず終わるのか。このバラシの問題は重要な事だと認識するべきではないだろうか。

以上バラシの起こる原因とバラシを解決する手段について筆者なりの考えを説明させてもらったが、皆さんのバラシがこれで少しでも減少し、快適なジギングライフを楽しんでもらえれば幸いである。

おまけ
「スピニングリールの防水処理方法」
ジギングで多く使われているスピニングリール。しぶきなどにより、ボディーの中に海水が入りやすい。この海水をそのままにして置くと中のパーツが腐食して、最終的に壊れてしまうのだ。
こまめにオーバーホールを行えば良いのだが、面倒だという方のためにとっておきの方法をご紹介しよう。
オーバーホールが終わったところで、ボディーにフタをする際、シリコン樹脂等の充てん材を使い、外部からの水の浸入を防ぐという方法だ。実に簡単な作業で、効果は絶大なのでオススメだ。



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